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全身全霊

執筆者の写真: 林好子
林好子
17 時間前
読了時間: 3分

今日のテーマは「全身全霊」についてです。



今年、初めて能を観に行ったのですが、すっかりハマってしまいました。

能の舞台を見ていて浮かんでくる言葉が「全身全霊」です。

素晴らしい舞いと音楽、舞台全体の空気感が、体と心の持つ力を存分に発揮することで生まれているのを肌で感じます。



しかしながら、私たちの多くは、体の使い方が良くなればやりたいことが上手にできる、と思い込んでいることがあります。そして、体を使いこなすことに一生懸命になりがちです。

もちろん、あるレベルまではその通りでしょう。体(肉体)だけでなんとかなるものもあります。

でも、能の舞台で感じた空気感、演者の存在感や観客を惹きつける音楽は、決して体(肉体)だけで生み出されるものではないのだと思います。

そして、これは実際に実験するとわかるのですが、心の状態によって知らず知らずのうちに動きそのものが変化しています(対面では簡単にお伝えできるのですが、今日は割愛しますね)。




そして、その見えない心の動きは、体を通して、また、その人の存在感として表現されています。



体をコントロールしようと一生懸命な動きには、その一生懸命が見えます。


考えながら動く体の中には、心身分離が見えます。


心ここに在らずの動きには、空っぽの肉体が見えます。


静まった心で動く体には、目覚めた感覚、力強さや穏やかさが見えます。


そして、全身全霊の動きには、上手さではなく、美しさを感じ、見る人を惹きつける力があります。



ついつい、体だけでなんとかしようとしがちですが、”体・心・意識、全てをもって動き”であることを理解し、丁寧にお稽古していくことが大切だと能鑑賞を通して、改めて痛感しました。



では、全身全霊に近づくために何からやればいいの?となりますよね。

実は、日常のちょっとしたところで練習できるんです。そして、心が体に与える影響も実感できます。




例えば、「動くの、だるいな~」「やりたくないな~」と思いながら立ち上がったり、仕事を始めることってありませんか?

そんな時、「腰が重い」という表現のごとく、やたら体を重く感じることってありませんか。心と体(行動)の方向性に不一致があるからです。どうせやるなら「よし、やるぞ」と決めて動いてみる、そんなところから始めてはいかがでしょうか。体が軽くなるかもしれませんよ。




ちなみに、私自身は、オンラインも活用しながら生徒さんと一緒に体と心と意識の使い方を日々お稽古しています。

じぶんの体・心・意識ながらそう簡単に思い通りにならないのを実感しています。と同時に、コツコツ継続することで、少しずつ変化している自分にも気づきます。

決して、知識や発想転換だけでは得られないものですね。

これからもコツコツとお稽古を続けていきたいと思います。



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