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  • 執筆者の写真林好子

解剖を学べば動きは変わる???


おはようございます。

アレクサンダー・テクニーク教師&理学療法士の林です。


今日はメルマガで配信した記事をブログでも紹介したいと思います。

時々、

「解剖を学べば動きは変わりますか?」

「動きを変えるために解剖の知識は必要ですか?」

という質問をいただきます。


私の答えはイエスでもあり、ノーでもあります。


もう少し正確にいうと、

ある程度の知識はあった方が良い、

でもそれだけでは足りない

というのが私の答えです。

もし体の構造を学ぶだけで動きが変わる!

と言い切る指導者がいたとしたら、正直疑問です。

では、

なぜある程度知識はあった方がよくて、

なぜそれだけでは足りないのか

について解説していきたいと思います。

まずは、

なぜ、ある程度知識はあった方が良いのか?

これはある生徒さんの経験を通して

お話ししていきましょう。

ピラティスを学んでおられる生徒さんが、

指導者が言う通りにやっているのに

何度やってもうまくできないというのです。

指導者の方が頻繁に

「背骨を~のように動かして」

と言うそうなんですが、どうしても上手くいかない。

でもその指示自体は、専門家からしても決して悪くないんです。

なんで上手くいかないのかな?と思って、

話を伺いながら動きを見ていくと、

その方が思っている「背骨」が

実際の「背骨」と異なっていることが分かりました。

奥行きも違えば、背骨の始まりと終わりも違う。

それではどんなに背骨を意識してもうまく動けません。

だって、その方が思っているような背骨は存在しないから。

解剖のイラストを一緒に見ながら

その人の「背骨」のアイデアを修正して

もう一度ピラティス指導者がいう

「背骨を~のように動かして」

というのをやってみると

簡単に動きは変わっていきました。

こういう躓きは

この方に限らず頻繁にみられます。

そういうことから、

ある程度の体の知識はあった方が良いということです。

繰り返し無駄な努力をするよりは

最低限の知識を入れることで

効率的に動きを変えていくことができます。

では次に、

なぜ、解剖(構造)の知識だけでは足りないのか?。

これはですね、

体の構造や仕組みを知識として入れるだけでは

動きは変わらないんです。

これホントです。

なぜなら私がそうだったからです。

私はアレクサンダー教師以外に

理学療法士の資格を持っています。

理学療法士になるための学校では

必ず解剖や運動学の勉強をします。

結構細かく学びます。

でもですね、私がそれらを勉強しても

自分の体の使い方は変わらなかったんです。

勉強をサボったわけではありませんよ!!

ちゃんと勉強しましたが、事実そうでした。

おそらく、私以外の理学療法士もそうなんじゃないかと。

つまり

知識だけではダメなんです。

もう少し正確に言うと、

他人事として、自分の体の外で

その構造や仕組みを理解しても

動きは変わらないということです。

自分の体の内側でそれを理解し、

自分の体の認識を変えていくこと、

そしてその新しい認識を元に動いていくことで

初めて動きを変えることができます。

ですから、もし

自身の動きを進化させるために

一生懸命解剖の本をみて勉強をしている人がいたら

ちょっと学び方を変える必要があります。

大切なのは自分の体の内側で

その知識を理解することです。

そして、もう一つ

解剖(体の構造)を理解するだけでは

不十分な理由があります。

それは、

体の構造が理解できたとしても、

それは動きにおける一つのピース(要素)

に過ぎないということです。

頭と背骨が出会う場所はどこか?

これはアレクサンダー教師が

お決まりのように指導する内容の一つですが、

これだけ分かっても体は整わないのです。

絶対整わないとは言いませんが、

それだけで整う人がいたとしたら、

既にまあまあ体が整っている人です。

そして、

アレクサンダー・テクニークでいう

プライマリーコントロールも

この情報だけでは得られません。

(プライマリーコントロールを初めて聞いた方はあまり気にせず流してください)。

なぜなら、

そこには動きの質の要素はないからです。

頭と背骨がどこでバランスを取るのかという

構造上の位置を示しているだけで

それ以上の要素は含まれていません。

ですから、

それでプライマリーコントロールという

アレクサンダー氏が発見した

頭と背骨のある種の関係性(状態)は

得られません。

もしそこで指導を終わっていたら、

おそらく多くの人が

頭と背骨が出会う小さな関節に意識が集中・執着し

窮屈になって終わってしまう確率の方が高いんじゃないかなと思います。

しかしながら、

この情報なくして

頭と背骨の状態が整わないのも事実。

だから一つのピース(要素)としてお伝えしないといけない。

でもここからどう積み上げていくかが

アレクサンダー教師として本当の勝負です。

ということで、

解剖の知識はある程度あった方が良い、

でもそれだけでは足りないということ

ご理解いただけたでしょうか。



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