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  • 執筆者の写真林好子

朝稽古〜学習する方法を学習する2〜


アレクサンダー・テクニーク教師&理学療法士 林好子のブログにお越し下さりありがとうございます⭐️

アメリカに来てはや2週間半。

今日も元気に剣(合氣道)の朝稽古しました♪

さて、今日は前回のブログの続き、『学習する方法を学習する』についてもう少し書いてみました。

前のブログでも書いたように、何かを習得しようとするとき、それをどうやって学ぶかが大切だと感じています。

例えば同じ目標を目指して同じ時間だけお稽古をしたとしても、学習の仕方を知っているか知っていないかで成果が変わってくる、

それは想像しがたいことではないように思います。

ということで、朝の剣のお稽古を通してどうやって剣のお稽古したらいいか探求中。

どうせやるなら効果的なお稽古にしたいですし、剣以外にも活かると思うので。

とはいうものの、これが奥深くて難しい。でも面白い。

そしてふと気づいたことは、小学校から大学まで学ぶ(教わる)時間は沢山あったけど学習の仕方をちゃんと教えてもらった記憶はないな・・・ということ。

学校では科目そのものについて教わりテストでジャッジされるけど、テストをパスするためにどうやって自己学習するかは個々に委ねられて、

みんな自分なりに学習の仕方を見つけやってきたわけです。

それが適切な方法だったかは別として・・・

そして、この自分なりの学習方法はいつしか習慣化され、自身の学習パターンとして確立されていく。

例えば、

試験勉強を始める前に部屋の掃除から始めるとか、

苦手な科目からするとか、あるいは得意な科目からするとか、

徹夜で詰め込むとか、

音楽を聴きながらやるとか、

ひたすら書くことを通して覚えるとか・・・

そう、自分に合っているだろうと信じている方法、つまり自分好みの学習法

をみんな持っているんじゃないでしょうか。

でもどうなんでしょう??

個性を踏まえるという意味では“自分好みの学習法”は良いと思うんですが

自分好みの学習法が必ずしも自分にとってベストな学習法とは限らないように思うんです。

私自身、合氣道のお稽古をしているとすぐに速い動きで練習しまうとか、部分(局所)に絞った練習を多くしてしまうといった傾向があります。

つまり、それが私にとっての“自分好みの学習法”です。

でもその学習傾向には色々と落とし穴(欠点)があって

たとえば速い動きは詳細や本質(原理)をごまかしやすく、(実際はちゃんとできていないにも関わらず)上手くできている感を得やすくなってしまいますし、

局所に絞った練習は身体的にも意識的にも全体性を失い、過剰なコントロール下に陥りやすくなります。

ですから、自分好みの学習法が強まっていくのに気づくと練習方法を変えてみたりします。

速い動きからゆっくり丁寧な動きへ、部分から全体に意識を広げた練習へと。

でもこれがビックリ、いつの間には“自分好みの学習法”にまた戻っているんです。

気づいた時には「あれ!?」って感じで、自分の学習方法が根強く習慣化されていることに驚かされます。

そして、この学習法は自主トレだけでなく師の指導の元でやっていても顔を出してきます。

師の指導に従っていながら、その指導の内側でまた自分なりの学習パターンを取り入れている自分に気づくことがあります。

本当に根強い習慣です。

理学療法士として患者さんと関わっている際も同じです。

自分の他者(患者さん)への学習の指導方法がパターン化されていることに気づいて、それをあえて崩しにいくこともあります。

あるいは、患者さん自身が独自の学習パターンを持っていてそれが適切でないと思われた場合は、その学習パターンに対して尊重と修正の間でどうバランスを取るか試行錯誤することもあります。

もちろん、アレクサンダー教師として生徒さんと関わっている時も全く同じです。

最も効果的な学習方法で学ぶための最善策は

言うまでもなく「良き師匠に出会う」こと(だと思います)。

三年かけて良師を探せと言われるように、これは本当に大事だと思います。

良き師は、その分野に長けた技術や知識を持ち合わせているだけではなく、それを学ぶための適切な学習法を知り適切な方へ導いてくれる、だからお稽古を3年積むより3年かけて良師を探せと言われる所以な気がします(もちろん、それだけではないと思いますが)。

とはいえ、先ほど述べたように、良師に出会ってもその指導の内側で必ず自分の学習パターン(傾向)がニョキッと顔を出して来ます(たぶん)。

なんせ習慣は根強いので。

師はそれを適宜適切な方へ導いてくれるでしょう。

でもどこかで自らが自身の学習パターンに気づき、師の意図するところに近づいていくことが大切なように思います。

そして、適切な学習方法を学習できれば、それはどんな分野においても応用していけるように思います。

それ故、剣を通して私はどうやって学習するか(お稽古するか)にこだわっているんだろうと。

私が学習の方法にこだわるようになった大きなきっかけの一つは、2017年春に参加したアレクサンダー・アライアンス・ドイツ校のリトリートです。

このリトリートはアレクサンダー・テクニーク教師を目指すトレーニング生のための9日間にわたるクラスでしたが、

最初から最後まで、アレクサンダー・テクニークについての知識や技術をどうやって学習するか?についてフォーカスをあてたものでした。

つまり、本来学ぶべき知識やスキル(いわゆる科目)をセカンダリーにし、学習法についてをプライマリーに学ぶリトリートでした。

当時私は既にトレーニングを終え教師の資格を得ていましたが、これから教師を目指すトレーニング生に混ざってこのリトリートに参加し学んだことは、アレクサンダーテクニークだけでなく、合氣道のお稽古や、人に動きを指導する(他者に学習の方法を指導する)上でとても役に立っています。

そして、ドイツ校のトレーニング生にとっては、その後卒業まで続くトレーニングの効果を飛躍的に向上させたことは間違いないと思います。

さあ、朝稽古も終わり、ブログをアップし、今から朝ごはんです♪


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