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稽古のプロセス〜一から十まで学んで、再び一に戻る〜

  • 執筆者の写真: 林好子
    林好子
  • 5月19日
  • 読了時間: 5分


今日のブログは、私の好きな書籍『稽古の思想』に書かれている内容に触れながら、お稽古や習得のプロセスについて、今私が思うところをつらつらと書いております。


ご興味がある方はお読みください。


書籍『稽古の思想』の第2章に、こんなことが書かれています。


稽古は、十まで学んだ後、再び、一に還る。十に到達して終わりではない。十に至ったら、再び、最初に向かって戻ってこなければならない。


「一から十まで学んで、再び一に戻る」という学びのプロセスに関して、現時点では、こんなふうに考えています。


最初に習う一は、後に続く二~十を知らずして一を学びます。それゆえ、一がどう活かされるのか、なぜそれが大事なのか、なぜ最初に習うべきことなのか、知りません。


そう考えると、一を学ぶものの、その一のお稽古をもって一を理解しうる(習得しうる)ことはないのかもしれません。


でも、一を学び、二を学び、十まで学んで、なんとなく概要がわかる。そして、1周回って一に戻った時に、前回より一の理解が少し深まる。さらに1周回って一に戻った時、1周目、2周目と違った次元で一を探求できる。


でも、まだそれは、一は一として探求しているかもしれない。一を一として、一の未熟さを感じ、一をお稽古する。


そうやって、一から十までをさらに何周もしていくと、ある時、応用的なこと、実践的なこと、テクニカルなこと、何をやっていても、いつも一の不具合が邪魔することに気づいてくる。


一、つまり、基本の基本が、全ての土台になるのだと、身をもってわかってくる。なぜ最初に学ぶのか、頭ではなく、経験としてわかってくる。


その時初めて、「十に至ったら、再び最初に向かって戻ってこなければならない」という意味が真にわかってくる。


そして、応用的(テクニカル)なことへの欲求や優越が減り、一に戻ってお稽古したくなる。


ここで話を戻して、1周目、2周目の学びについて、今一度考えてみたいと思います。


1周目を学んでいる最中、その意味も価値も分からない。分からずして、一の練習(お稽古)に身を入れなければならない。(二から十までも同様)


それが果たして可能か。


もう少し正確に言うと、一の価値を知り、その稽古を望む熟練者と同じように、一の稽古に身を入れることができるのだろうか?


もしかしたら1周目は可能かもしれない。初心ゆえの緊張感や真面目さがある。難しいのはむしろ、2周目、3周目かもしれない。わかった気になっており、「また基礎練習か…」と身が入りにくくなるかもしれない。(もちろん人によるだろうが…)


そんな風に思いを巡らしていると、昔のドラマか映画かで聞いたような師匠が弟子に向かって放つセリフが思い出される。


「つべこべ言わずに言われたことをやれ!」 


この「つべこべ言わずに言われたことをやれ!」 の意味や受け取り方も、師匠と弟子で解離があるのだろう。


そして、「つべこべ言わずに言われたことをやれ!」 が通用しない時代となった今、稽古はどのように変化していくんだろうか…。


何周も回っていくからこそ見えてくる世界、面白さ、奥深さがあるのだろうけど、それが分かるまで続けられない人も少なくないだろう…。


教える側にも教わる側にもなんらかの工夫や知性が求められるかもしれない…。


と同時に、ある程度で学びを終了し、次の探求を始めることが悪いとも言えない。個々の価値観に依存するのかもしれない。


もし何周も繰り返し学ぶとした場合、最もあってはならいのは、同じ次元で、同じ経験として次の一から十を学ぶことではないか。それではつまらないし、継続する意欲が削がれてしまう。1周を繰り返すたびに毎回違った景色(経験)であること、違う次元での探求であることが、学びを継続する糧になると思う。


「稽古の思想」の一節を通して、なんの結論もないままにつらつらと思うがままに書いてしまいました…。

こんなブログも時々お許しくださいませ。


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(編集後記)

このメルマガを書いていたら、偶然にもプロフェッショナルコース(身体の使い方を指導できるようになるためのコース)の卒業生からこんなメールがやってきました。

「ハンズオン体験会、基礎もありがたいです。参加するにあたっての目標やポイントなど自分なりに考えて参加したいと思います!」と。

一般参加の申し込みがなかったらコース(卒業生)メンバーで応用的な内容をする予定でしたが、体験のお申し込みがあったので基礎的な内容をやります、とお伝えしたことに対する返信がこれでした。

「つべこべ言わずに言われたことをやれ!」と言わなくて良い私は、本当にラッキーです。そして、一緒に一を探求できる仲間がいることが幸せです。


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【ご案内】

◎Alexander Life Japanベーシックコース個別説明会(オンライン、無料)

コースで学ぶことに興味をお持ちの方はご利用ください。



◎ガチンコ・ハンズオン体験会

開催日:5/31(土)午前

場所:大阪市北区民センター

触れる基礎を丁寧にお稽古していきます。



◎グループレッスン

開催日:6/29(日)午前

場所:大淀コミュニティセンター

Alexander Life Japanコミュニティで行っているグループレッスン。

ゲストの方の参加も受け入れております。

身体の使い方、自分の使い方をお稽古していきます。




◎Alexander Life Japanリトリート in 北海道

開催日:9/13-/915

温泉宿に泊まりながら遊びと学びを融合させたリトリートです。


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Alexander Life Japanは、暮らしを豊かにすることを目的に、アレクサンダーテクニークのレッスン・ワークショップなどを行っています。オンラインでも指導。心身の緊張、慢性的な不調や疲労、パフォーマンス低下で悩む方におすすめです
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