今日のブログは
「表現する身体」
についてお話ししたいと思います。
My favoirte (好きなこと)の一つが
人の動きを見ることです。
それは筋肉がどう動いているとか
関節の曲がり具合がどうだとかではなく
動きの中にあるその人の表現を見るのが
好きなのです。
以前、街で出会った二組の後ろ姿が
とても印象的だったので
ご紹介しいたいと思います。
私の少し前を
男女の若者が手を繋いで
トボトボと歩いていました。
その後ろ姿は、
これまでで見た中で
最も悲しい後ろ姿で、
私の視線は自然と二人に引き寄せられました。
素性も知らない二人ですし、
表情も見えません。
でも、
その後ろ姿から放たれている
空気感はなんとも言えないもので、
二人で悲しみを分かち合おうとするも
若い二人には背負いきれず
向かう先もわからず歩いているかのようでした。
お天気の良い賑やかな歩道でしたが
きっと二人には
行き交う人も、行く先も、未来も
全く見えていないんだろうと
思えてなりませんでした。
ただ、私にとっては
そんな後ろ姿に人間味を感じ
見知らぬ二人に不思議と愛着を感じ、
後ろからエールを送ったのを覚えています。
もうひと組の後ろ姿は
老夫婦です(おそらくご夫婦)。
旦那様は目が見えない方で
奥様が腕を組んで、
歩行を導いておられました。
私の前を歩いていたお二人は
地下鉄の入り口に差し掛かり
階段を降りていくところでした。
お二人が階段を降りていく瞬間、
その動きの美しさにハッとして
ご夫婦が階段を降りきるまで
その後ろ姿を眺めてしまいました。
何が美しかったかというと
動きの中に躊躇がなく
明確な意図と動き、二人の一体感が
明白でした。
そして、互いへの「信頼」が
感じられる後ろ姿でもありました。
ちなみに妻は一段下、夫は妻より一段上、
上下の位置関係で階段を降りておられました。
また夫は隣にある手すりを持たず
妻の腕を持っておられました。
これはやってみると分かるのですが、
手すりを持たず
一段下にいる人についていくのは
落下の感覚を覚えやすく、
また実際にバランスを崩した場合は
大きな事故になるため恐怖を伴います。
(介助される側はもちろん、介助する側も)。
でもこのご夫婦は
なんの迷いもなく、
また、互いを気にかけているというより
あなたと私はすでに一体といった感じで
まっすぐ前を向いて
降りて行かれました。
お年を召されたお二人でしたので
身体自体は老いが感じられるものでしたが
二人の一体感や信頼が表現された動きは
本当に美しいものでした。
こういった後ろ姿をみると
動きというのは、
その人の表現に思えてなりません。
人によっては、
動きはからだ(肉体)が作り出すものと
思いがちですが、
動きは、からだ(肉体)だけでなく、
意識、心、思考、感覚など
様々なものが作り出し表現しています。
そして、
私たちはその表現を自然と受け取り
美しさを感じたり、感動したり
魅力を感じたり、あるいは嫌悪を感じたり
しているように思います。
時々、
私(私の動き)はどんな表現をしているんだろう…
と考えることがあります。
その瞬間瞬間の表現もあれば
これまでの生き様みたいなものが
表現されていることもあるように
感じています。
そして、遠い未来、
おばあちゃんになった時に
今と違うものが表現されているといいなと
思う今日この頃です。
そのためにも
じぶんの使い方を丁寧に深めていきたいと
思います。
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