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執筆者の写真林好子

一瞬の新しい経験を大切にする


今日のブログは、「一瞬の新しい経験を大切にする」ということについてお話ししたいと思います。




結論から言うと、たった1回、それが一瞬であったとしても新しい経験は大きな価値があるということです。そして、一瞬の経験はコツを掴むことや上達のきっかけになるということです。




私たちは、言葉や知識を通して学ぶということに慣れ過ぎて、頭で理解したことや知っていることを分かったと錯覚しがちです。でも、経験したことがないこと(未知)は、それが本当はどういうものか知らないのです(頭でわかったつもりになっていることを元に想像した世界でしかないのです)。もっと言えば、その存在すら本当は知らないのです(特に知識や言葉がなければ)。そして、どうやったらその未知を経験できるのか身体は知らないのです。ですから、未知と既知の差はとてつもなく大きく、未知が既知に変わるということ、つまり新しい経験をするというのは難しいことなのです。




ただ私たちはその未知を目指して(本当は目指せないのかもしれませんが…。それが本当はどんなものか知らないので…)、知識・知性も駆使しながら、身体を使って試行錯誤していきます。すると、ある瞬間、新しい経験がふっとやってくることがあります。それは時に一瞬かもしれませんし、垣間見たぐらいの時もあるかもしれませんが、その人の中で未知が既知になった瞬間であり、大きな価値と言えます(と、私は思っています)。




それは、四方八方どこまでも続く砂漠に、突然、向かう先やそこに行くための標識が現れた、そんな状態と言っても良いのではないでしょうか。




新しい経験をすること(未知が既知になること)は、向かう先が明確になるだけでなく、コツを掴む大きなきっかけにもなると私は考えています。




コツを掴むというのは上達の上でとても大切です。反復練習で徐々に上手くなるという変化度というのは大したことありませんが、コツを掴んだ時の上達度というのは急激な変化をもたらします。




たった一瞬でも、たった1回でも、新しい経験をもたらした時の感覚や意識、手段は、コツを掴む大きな手がかりとなります。そして、コツを掴めば、経験を積み上げ身に落としていく作業になるので、どんどん上達していけます。

ゼロ(未知)から1(既知)に移行するのは難しいですが、1回経験したことを2回目を経験することはずっと難易度が下がります。そして、10から11、101から102と回数が進むにつれどんどん易しくなっていきます。同じ1の違いでもその差異は大きいということです。ですから、繰り返しになりますが、ゼロを1にする、未知が既知になる最初の新しい経験はとても価値があるということです。





ただ、人によっては、この新しい経験に価値を見出さないことがあるように感じています。もう少し正確にいうと、その経験の時間的長さや頻度に価値を置いていて、一瞬しか経験していないからとか、1回しか経験していないからという理由で、その新しい経験(未知が既知に変わった経験)を過小評価してしまっています。




少し前のエクササイズのクラス(コミュニティメンバーと週3回、朝晩やっている筋トレでもストレッチでもない自分を整えるためのエクササイズ)で、ある生徒さんが、”今日一瞬ここがこんな風に緩んで、今までと全然違う経験ができました”と話してくれました。




そこまでは良かったんですが、その言葉の後「でも(新しい経験は)一瞬で。その後、いつもみたいに緊張していて、またこんな風な身体になって。日常でもこうなんです。こんな感じで窮屈で… だから私は呼吸も浅くなってしんどくなるんだと思います…」と、自分の習慣、上手くできていない時の経験の話に変わっていきました。




せっかくの新しい経験を一瞬だけという理由で、あたかも無かったことにしてしまい、自分の悪い習慣にフォーカスしてしまうことが勿体ないと思ったのです。

その時は限られた時間でしたが、未知と既知の違い、コツを掴むために新しい経験にフォーカスすることをお伝えました。




コツを掴むのが上手な人とそうでない人の違いは、こういった一瞬の経験、1回の経験を大切にできるか、そこに価値を見出せるかという違いがあるのかもしれません。

たった一瞬、一回の経験でも、新しい経験を見過ごさず、その経験を自分のモノにするきっかけにしていきましょう!(と自分にも言い聞かせております)。

(メルマガより抜粋)




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