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執筆者の写真林好子

自分に与えられたギフトを活かす

アレクサンダーテクニーク教師、理学療法士の林好子です。

ブログをお読みくださりありがとうございます。



さて今日のブログは「自分に与えられたギフトを活かす」ということをお話ししたいと思います。




私はアレクサンダーテクニーク教師、理学療法士として、これまでたくさんの方々の動きの向上に携わってきました。アレクサンダー教師と理学療法士の視点には異なる点と共通点があります。




異なる点は、理学療法は何が足りないかという視点(例えば筋力が足りない、関節可動域が足りないなど)を持つのに対し、アレクサンダーテクニークは何が余分かという視点に立つ(例えば、余分な緊張・力みなど)傾向があります。




そして、共通点は改善すべきところにフォーカスしているということです。つまり、それは問題点を見つける作業であり、その人の悪いところ探しとも言えます。セラピストもアレクサンダー教師も、その人がより良い方向に向かうことを願いつつ、間違い探しのフィルター(色眼鏡)を通してその人を観察していきます。これは理学療法士やアレクサンダーテクニーク教師に限らず、様々な指導者において当てはまることかと思います。




課題や問題点を知ることは必要ですが、間違い探しだけしていると、指導者も生徒(クライアント)もどこか窮屈さを感じたり、視野が狭まって改善が頭打ちになるような気がしています。




昔、理学療法士として担当していた患者さんからこんなことを言われたことがありました(他のスタッフを介して)。


「林先生は自分のために一生懸命やってくれる。だから私も頑張って練習して上手くなるんだけど、自分では上手くなったと思ってもまた次の課題が見つかってどんどんハードルが上がっていくから時々辛くなる。」と。




私はその人が少しでも良くなって欲しいという想いでしたが、その人と向き合う時、悪いところ探ししかしていなかった自分に気づいて反省したのを覚えています。問題点に探す前に良くなった部分を見ていたら、そして、それに対して言葉掛けをしていたら、この患者さんのリハビリに対する印象も取り組みも変わったのではないかと思います。




それから何年かして、二人のアレクサンダーテクニークの師匠から二つのことを教わりました。




「まずは相手の良いところを見なさい」

「相手を変えるようとせず、相手のことを知りなさい」




聞いた当時も胸に響きましたが、いま、その大切さが当時より身に染みてわかるような気がしています。




相手のこと、特にその人の良いところを知ろうと努めると、自然と私が選ぶ言葉掛けや介入の仕方が変わり、私と生徒(クライアント)の関係性も違ってきます。その人の得意とすること、強みが見えてくると、それを活かせばその人の可能性をもっと開花できるのではないか、課題や弱みもこの強みを活かしながら取り組むことでもっと効果的に解決していけるのではないかと期待が膨らむのです。そして、私が発する気も自然と変わってきて、私自身が楽しくなるのです。




ただ、強みは抜きんでたものであるが故に、ちょっとした歯車の違いで動きを邪魔したり、マイナスに出てしまったりすることもあります。すると、それをその人の欠点や悪い習慣(癖)として扱ってしまうこともあります。自分で自分にダメ出しをしたり、他者から否定される対象となり、その強みを活かすどころか弱みに変わってしまうこともあります。




でも問題探し(悪いところ探し)をする前に相手(あるいは自分)の良いところを見る視点を持っていると、意外とマイナスに捉えていたものがそうでないことに気づくことがあります。




いま、私が関わっている生徒さんで、強みがない人は誰一人いません。身体感覚に優れている人、ビジュアルイメージが得意な人、理論的思考が素晴らしい人、右脳と左脳のバランスが取れている人、楽観的視点で物事を見れる人、継続力が素晴らしい人、忍耐力がある人、素直であること、全てが尊敬に値します。それらの強みは、その人に与えられたギフトのように私は感じるのです。ですからアレクサンダーテクニーク教師である私の仕事は、単にの習慣(ネガティブな部分)を正すのではなく、その人に与えられたギフトを見つけ、活かし、その人の可能性を引き出す、その過程で習慣を扱っているのだと最近感じています。




「まずは相手の良いところを見なさい」

「相手を変えるようとせず、相手のことを知りなさい」




師匠に感謝です。




ぜひ皆さんも、自分の良いところをまずは見てみてくださいね。




師匠Bruce Fertman & Robyn Avalon



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