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  • 執筆者の写真林好子

ワークショップ舞台裏での学び/Readiness



7月17日はアレクサンダーテクニーク・ワークショップでした。


生徒さんが生き生きと熱心に学んでくださり、場にエネルギーがどんどん満ちてくるのを感じられたワークショップで、とても充実した時間になりました。



が、実は今回、ワークショップ当日までのプロセス(準備)は私としてはちょっと苦しかったんです💦


最近ではあまりない経験だったので、ワークショップ開始までとワークショップ後の経過と気づきを書き綴っておこうと思います。

もしかしたら、指導する立場におられる方は、同じような経験をされている方もおられるかもしれませんし、共感できる部分やヒントになることがあるかもしれません。

少なくとも自分が未来に振り返られるようにここに残しておこうと思います。



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今回のワークショップ、タイトル(テーマ)が広かっただけに、どんな内容をしようか迷った。



参加者の多くは知っている方々だったので(少なくとも一度はレッスンをしたことがある方々)、一人一人の顔を浮かべながら内容を考えていると、やりたいことが色々浮かんでくるが、まとまりがなくなってくる。



ちなみに、ワークショップのプランの立て方は人それぞれだろうが、私の場合は、

・私は伝えたいことの軸(テーマ)を明確にする

・具体的なコンテンツを考えつつ、最初(イントロ)から最後(エンディング)まで繋がりを見つけていく

という場合が多い。




そして、一つずつのプランしていく中で、何度もWhy?を自分に投げかける。



なぜこの順序なのか?

なぜこのワークなのか?

なぜここで終わるべきなのか? そこにデメリットはないのか…?



様々な疑問を投げかけながら、全てにおいて意図を明確にしていく。



そして今回は、講師の二人で進めていくということもあり、二人のワークの繋がりも考えた。




ワークショップのプランニングはこれまで何度もやっている作業だが、今回はいつも以上に考えた。

コンテンツ(ワーク)は大体絞られたが、その中で全体としてどの方向に向かうのか、どうやったらより繋がるのか迷ってしまった。



脚本を描くかのように、あらゆる可能性を考えながら、全体のストーリーをいくつも自分の中で描いてみた。

そして、なぜその脚本(ストーリー)がいいのか、あるいは良くないのか、一つ一つにWhyを投げかけた。




ただ、どれだけその作業を繰り返しても、どのストーリーにするか選ぶことが難しかった。

いくつも案はあったが、どれが良いのかわからなかった。

迷いが消えるどころか深まっていった。




そんなこともあって、何度も考えた。

でも、どれだけ考えても答えが出ないのは知っている。

最後はその場で参加者と一緒に創造されていくものなので。




ただ、ある程度の納得感が欲しくて、考えた。

考え過ぎて苦しくなった(苦笑)。




考えるプロセス、いわゆるワークショップの準備は自分にとって大事だと日頃から思っている。

このプロセスがあるからこそ、本番でアレンジができる。自分が自由になれる。

用意周到とは、用意したものをそのままズレなくできるようになるためではなく、その場で自分が自由になれて即興でできるようになるためのもののように私は捉えている。

だから事前の準備、考えることは大切だ。


とはいえ、今回は思いの外、考えすぎた。

納得のいく全体性(繋がり)が見つからず、コンテンツの順番を変えてシュミレーションしてみたり、コンテンツ自体を変えてみたりしたが、余計にどれが良いか分からなくなってしまった…



考えすぎるとその思考は建設的なものから非建設的なものへと変わってしまう。

個人的には非建設的になったとき、あるいはそうなる前が、考えるのをやめてリセットするタイミングだと思っている。



途中、合氣道のお稽古に行ってリセットしたりしたけど、それでも普段より頭優位な自分がいた。

食欲も減退し、眠りも浅くなっていった。

楽しみにしていたワークショップなのに、意外とストレスを感じている自分にちょっと驚いた。




そんな自分を客観的に見つけていたが、結局、もう少しの納得が得られるまで、ギリギリまで考えることにした。



と同時に「最後は自分の準備」なのだと自分に言い聞かせた。

アレクサンダーテクニークでいうところのReadiness(準備).



最後の最後は、ワークショップの準備(Prepare)ではなく、私自身の準備(Readiness)。

いつでも自由に動ける状態(体も心も頭も)。

いまこの瞬間に目覚めた自分。



昔、師匠に言われた。

伝えるものは、すでに自分の中にある。

自分の中にあるものを信頼し、あとは自分の準備なのだ、と。




そのことでを忘れないようにして、ギリギリまで考えた。

そして、最後は腹を決めて、目覚めた自分でその場にいる。

もちろん、そこには身体性を含んでいる。




ワークショップが始まると、頭の中の混乱は無くなっていた。

そして、事前に準備したものが、そこにいる人全員によって少しずつ色合いを変えながら、必要な方向に導かれていくのを楽しむ自分がいた。

流れに乗っていくのはやはり楽しい。



そして終わってみると、頭も心も体も清々しかった。

参加者の顔も清々しかった。

いつものように、ワークショップは自分にとって居心地の良い場所になっていた。



ワークショップまでのプロセスはちょっと苦しかったけど、この清々しさや居心地の良さを得れたのはそこまでのプロセスがあったからなのだと思う。

そして、そこには師匠と学んだ長いプロセスも含まれている。

今でも何かあるたびに師匠から教わったことが思い出され助けになっている。

本当に有難い。




久々に苦しい準備期間だったけど、それも含めて本当に勉強になったなと思う。




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ワークショップ後(同日)



ワークショップを終え、一緒に講師を務めた博子さん、そしてアシスタントメンバー(からだや自分の使い方の指導者を目指して私の元で学んでくれているメンバー)とカフェでワークショップの振り返りをした。



イントロ、全てのワーク、エンディングを一緒に見直していった。

どんな工夫がそこにあったのか、他にどんな工夫があり得たのか?、発した言葉の有効性などティーチング(教育)という視点から一つ一つ丁寧に振り返った。




気づけば、3時間以上が過ぎていた。

でもこの振り返り時間がプランニングと同様に大事だと思う。

次はもっと上手く教えられるように・・・。




その振り返りの時間は、ワークショップと同じくらい楽しくて充実した時間だった。




これまでは自分一人でやっていた振り返り作業だけど、今は仲間と一緒にできる。

それが私にとってはすごく嬉しいし楽しい。

そして、一緒に成長していける仲間がいることを幸せに思う。




ワークショップそのものはもちろん、ワークショップ前後も含めて学び多き時間だった。

自分が指導者として一歩成長できたのではないかと思う。

これからも一歩ずつ進んでいこう!





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