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  • 執筆者の写真林好子

治療にこだわっていた私が「教育」に惹かれた理由


理学療法士でもある私は、かつて「治療」というものに強いこだわりを持っていました。でも今は「教育」というものをより大切にするようになりました。それは師匠から「教育の持つ力」を身をもって教わったからだと思います。




先日、「体の使い方を指導する人、指導できるようになりたい人」の座談会の冒頭で、アレクサンダーテクニークの師匠ロビン・アバロンについてこんな話をしました。



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彼女は素晴らしいスキルの持ち主であり、ものすごくクリエーティブな人で、多岐に渡り才能を発揮する人です。カリスマ的な存在、天才肌な人と言って良いと思います。



彼女の卓越されたスキルや創造力、オリジナリティあふれるティーチングに多くの人が魅了されます。もちろん私もそのうちの一人でした(もちろん、今もです)。



ただ、私にとって彼女の本当のすごさは「教育」に関するところだと思っています。トレーニングクラスでの彼女の教育に対するこだわりは強く、私にとってはアレクサンダーテクニークの技術を学ぶと同時に、教育について学んでいる、そんなトレーニングでした。そして、それがすごく面白かったんです。



彼女の元で学んでいると、私は彼女の持つスキルを得たい、その高いゴールを目指したい、そんな想いが自然と湧き上がってきました。そして、彼女の元で学んだらいつかその遠いところに行ける気がしてたんです。遥か遠いところなのに。



これってすごくないですか?

普通、あまりに別次元の人を前にしたら、自分とは別の存在として扱ってしまうじゃないですか。でもなぜか、憧れとか、すごい!で終わらないんですよね。あの技術を身につけたい!身につけよう!と現実味のあるものとして目指している自分がいるんです。



私にこんな風に思わせてくれたのが彼女の凄さだと思うんです。そして、そう思えた背景には彼女の「教育」のスキル、こだわりがトレーニングに埋め込まれていたからだと私は思っています。



カリスマなんだけど、カリスマ的存在になろうとしない。トレーニング生の成長を導く。そこにエネルギーを注ぐ。それが彼女の真の力でだと思っています。そして、「教育には人を変える力がある」、それを身をもって教えてくれたのが師匠ロビンでした。



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私はロビンのような天才肌の持ち主ではなく、カリスマ的な素質はありません。体の使い方は平均以下、普通に不調なく動けるようになりたい…からのスタートでした(ちなみに、師匠は元ダンサーでもあり、自身の体も自由に使いこなせる人でした)。

そういう意味で、私は師匠と立ち位置が違い、生徒さんにとって目指すゴール(お手本)になることはできませんが、師匠から受け継いだ「教育」の教えのもと、生徒さんがより高いところを目指し、そこへ導くことへのこだわりを強く持つようになりました。



卒業し師匠から離れて、より学んだことの大切さが身に染みてきます。

素晴らしい師匠に出会えたことに感謝です。



師匠にはまだまだ及びませんが、私自身も、自分の可能性を信じて、これからも日々進化していけるよう探求を続けていきたいと思います。





師匠ロビン・アバロンと(トレーニング時代)

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