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  • 執筆者の写真林好子

地に足をつける

地に足をつけるってホント大事。


でも、本当のところ、その大切さを実感している人はどれだけいるんだろう?って思うんです。

あまりにも聞き慣れた言葉ゆえに、当然のように「そうそう」って頷けるけど、本当に身体を通してそれを実感している人がいるかというとどうなんでしょうか。



幸か不幸か、私は小学生の頃に、大地の大切さを実感しました。

忘れもしない徒競走。

「大地がない!? 大地が蹴れない!」

一生懸命前に進もうとしているのに足が空中で空回する感覚に衝撃を受けた瞬間を今でも記憶しています。

その時、子供ながらに前に進むには大地が必要なんだと思いました。

急に身長が伸び、体の使い方が変化し、大地を失ってしまった私。

速く走るには大地を取りも出さないといけない、それは分かっているけどどうやって???

残念ながら、それを教えてくれる人は私の周りにはいませんでした。


あれから長年に渡り、私は大地と友好関係を築くことはできませんでした。

子供の頃は日常生活にさほど支障はありませんでしたが、社会人になり大地がさらに私から離れていく中、落ち着かない自分、気が上がってイライラしてしまう自分、そして、緊張する上半身は悪化するばかりでした。

そして、大地に降りなくてはと思い、一生懸命になると今度は大地と戦って押し合いっこになってしまう、そんな繰り返しでした。



気づくとあまりにも他の不調が強くなりすぎて、しばらく大地のことを忘れていましたが、アレクサンダー・テクニークに出会い、大地との関係性を築くことについて学ぶチャンスを得る事ができました。

師匠のハンズオンを通して、少しずつ大地に降りていく経験をする事ができましたが、それでも長年にわたって失った大地を取り戻すことは容易ではありませんでした。


トレーニングを終えてからも、

「どうやったら大地は私をサポートしてくれるのか?」

「それを経験するにはどうしたらいいのか? そのために頭ではどう理解すべきなのか?」

「ハンズオンなしにそれを経験するにはどうしたらいいのか?」 

「同じように苦しむ生徒さんに私は何を伝えればいいのか?」 

「どんなトレーニングをすればいいのか?」

そんなことを自問自答していました。


ありきたりなメッセージや手段で成功しないことは自身の経験から分かっているので、そんなことを伝える気はありません。

頭で理解したことを少しでも身体で経験できるようになるために何を伝えるのか、実験や工夫を積み重ねながら、少しずつ近づいてきているような気がします。



今日の講座。

「地に足をつける」

生徒さんにお伝えし、生徒さんと一緒に実験することを通して、また一つ、自分の中で気づきが深まってきました。


これからも続く探求。一歩ずつ深めて大地と良い関係を築いていきたいと思います。











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