習慣的な身体の使い方がどこからやってくるのか、それは個々によって色々。
親を見て自然と学習したものもあれば、サバイバルパターン(社会を生き抜くための戦略)として知らず知らずのうちに身につけたもの、文化的なものからやってくるもの、性に関連するもの、あるいはどこかで指導され植え付けられた思い込みによって身につけたもの・・・。他にも色々ある。
人や身体と向き合っていると、この身体の使い方は⚪︎⚪︎からやってきたのかな〜と思うことがある。自分がなぜそう思うのか、どこからその考えがやってくるのか分からないけど、その考えが私の頭にやってくる。
昨日レッスンに来てくださったお一人は、昔から持っていた身体の使い方の癖に、動きの指導によって身につけた修正パターンが加わったタイプ(という考えが私の頭にやってきた)。
もちろん真実かどうかは分からないので、聞いてみる。
「撫で肩は昔からですよね?」
生徒さん「はい。子供の時から撫で肩と言われてました」。
次に「ちなみに”肩を下げる” ”胸を開く” ”肩甲骨を寄せる”ってどこかで指導されていませんか?」と聞いてみた。
生徒さん、「はい。ダンス習ってて全部言われてます。」と。
なるほどなるほど。
ダンス歴はそれほど長くないのでそのパターンは強くありませんが、そのアイデアを背景に持っているのが身体を通して見える。
ある意味、とても素直な身体とその方。
ちなみに、
”肩を下げる” ”胸を開く” ”肩甲骨を寄せる”
これ、ダンスの指導者が頻繁に使うみたいですが、これによって変な使い方を身につけている人が多いように思うんです。
肩を持ち上げていないのは大事、でも肩(肩甲骨)を引き下げるのは違う。
胸が広がっているのは一つの型として良いにしても、どうやってその型をとっているかが大事。でもそこは指導されない。
肩甲骨を寄せる・・・。そもそも肩甲骨は寄っていないし、ぎゅっと寄せるだけだと綺麗に腕は動かせない。
”肩を下げる” ”胸を開く” ”肩甲骨を寄せる” を言葉のまま再現しようとして自由な動きを制限してしまっている。
真面目な人ほどちゃんと正しいことをしようとしてこの落とし穴にはまっている人が多い気がします。
いわゆる指導によって導かれた動きの癖、修正パターン。
そして、この方の場合、元々一般的によくある肩を持ち上げるタイプではなく、ニュートラルより肩が下がりすぎているタイプにも関わらず、他の方へのメッセージ「肩を下げて」をそのままやっているから、習慣的なパターンがさらに増強してしまっている。
グループのレッスンだと、こういうことも頻繁に起こるんですよね。
他の人にかけられたメッセージや、一般的なメッセージが、実はその人には合っていない。
そこを聞き分けるのは難しいかもしれませんが、「これって私にとってもそうかしら?」と生徒さんはちょっと考えてみるといいかもしれません。
そして、指導者もグループを教えるときに、ほんのちょっと個別性を加えないといけないということですね。(←自分に言い聞かせています😊)。
話が逸れていっちゃいましたが、
身体の使い方(癖)を知ることも大事ですが、その習慣がどこからやってきたのか、ルーツを知ることはそれ以上に大事なように思います。そしてそのルーツと向き合うことで、時に簡単に、時にもっと深く、変容していけるのかもしれません。
Commentaires