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  • 執筆者の写真林好子

音楽とアレクサンダー・テクニーク


アレクサンダー・テクニークを学んでいる職種(分野)ランキングNo1は音楽家だと推測しています(あくまでも個人的意見ですが、おそらく合ってるかなと思ってます)

なぜ音楽家がアレクサンダー・テクニークを学ぶのかというと

演奏者の動きが楽器を通して音を作り出すので、自分の使い方が変われば音色も表現もおのずと変わってくる、というのが一つの理由です。

シンガーは楽器を使用しませんが、ご自身が楽器なわけですから、もちろん自分の使い方が大事なのは言うまでもありません。

つまり、新しい音色や表現を求めてレッスンを受けにこられる方がおられます。

一方、自身のケアのために学ばれる方も多くおられます。

音楽家は、音で表現するアーティストであると同時にアスリートでもあります(少なくとも私はそんな風に思っています)。

なぜなら、音楽家というのはプロになればなるほど長時間にわたり練習されており、アスリート並みに身体を使っておられるからです。

しかも、局所的に同じ動きが反復されやすいので、長く音楽を続けておられる方で身体に痛みや不快感を感じておられる方は少なくありません。

ですから、音楽家の方も、アスリート同様に身体や動きについて学ぶこと、そしてケアすることが大切だと思います。

それを知ってか、音大の中で最高峰にあたるジュリアード音楽院はアレクサンダー・テクニークを授業に取り入れておられるようです。

またドイツの音楽学校(大学)では、少なくとも一つボディワーク(身体に関すること)の授業を受講する必要があるらしく、アレクサンダー・テクニークが導入されているところも多いようです。

その辺も、世界は先をいっているなと思います。

ちなみに、私はジュリアード音楽院に通うオーボエ演奏者に何度か個人レッスンをしたことがあります。

彼の奏でる音色と表現は本当に素晴らしくて、レッスン前は「こんな素晴らしい音楽家なのに、あと何が必要なんだろう?」「私は彼に何ができるんだろう?」と思いました。

しかも、私自身は小学校の時にピアノをかじったくらいの音楽経験しかなく、オーボエについてはどんな構造をもつ楽器で本来どうやって演奏するかも知りませんでした。

でも、いざレッスンが始まると、彼の動きの個性(癖)が見えてきました。

別の表現をすると、本来人間が持つ動くデザインから逸脱した動き、自身を邪魔するような動きがみえてきました。

胸郭から腕にかけての使い方は彼の音楽家としての習慣(癖)で(少なくとも私はそう認識しました)、人間の呼吸するためのデザインから考えると改良の余地がありました。

そして、足から腰にかけては、彼の日常生活からやってくる習慣(癖)がそのまま演奏にも反映されていました。

みえてきたものに対し一つずつワークを重ねていくと、彼はより伸びやかに演奏しているように見え、彼自身もそれを実感してくれました。

ちなみに

演奏は手と呼吸、あるいは上半身ですると思われがちですが、実は全身を使って演奏しています。

大地にどっしり休むことで、上半身は伸び伸びと自由に使えるようになりますし、オーケストラなど長時間座って演奏する上で心地よく座っていられることは演奏の集中力や表現の上で大切です。

そういう意味では音楽家の方にとって、座るスキル、あるいは立つスキルを身につけるというのは大事です。

私のアレクサンダー・テクニークの師匠はよく、「その分野のことが分かっていない方が、時によく見えてうまくワークできたりするんだよ」とおっしゃっていましたが、彼のレッスンで初めてそれを実感しました。

音楽に精通していないからこそ、純粋に動きを見て、何が余分な動きで演奏を邪魔しているのか見えてきたりします。

そこが、アレクサンダー・テクニーク教師と音楽の先生との違いかもしれません。

もちろん、音楽に関する必要な知識は補いつつ、これからも多くの音楽家の方にワークしていきたいなと思っておりますので、ご興味がある方は是非レッスンにお越しください★

レッスン案内→https://www.alexanderlife-japan.com/lesson-workshop-1



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