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  • 執筆者の写真林好子

土があること


今いる場所はニューメキシコ州にある小さな村。

見渡す限り99%は自然という場所。

ここでの暮らしは日本とかなり違う。

掃除機で吸い取った埃は、庭の少し離れたところに捨てる。

そして埃は土に戻る。

野菜のヘタなどの生ゴミは庭の一角にある仕切りの中に捨て、土と混ぜる。

月日が経つと肥えた土となり、野菜や花を育てる時の肥料になる。

家の敷地や近所を歩くと、動物の糞や死骸が目に留まる。

全ては土に還り、分解され、食物を育て、その植物が動物の食べ物へと連鎖していく。

どれもこれも土があるからできること。

コンクリートで固められた世界は、埃も野菜のクズも動物の糞も死骸も、全て汚物となり無駄となる。

そこから何も生まれない。

こんな基本的な自然の原理を、ここに来てようやく理解した気がする。

コンクリートに囲まれて育った子供が学校で自然連鎖を習っても、それが本当に“わかった”となるんだろうか…?

知識が知恵になるには経験が大切なように思う。

そして、いまこの自然の中にいれることを幸せに思う。



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