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上達の鍵は「反転」にある!?

  • 執筆者の写真: 林好子
    林好子
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

​今日は、今日のテーマは「反転」についてです。



「反転」とは、一般的には、ひっくり返ること、向かう方向性が逆転することを言います。

そして、私たちが学習し、成長していく過程では、時に”逆”が正しくなるという意味でも使える言葉です。つまり、ある段階では、今までの正解を手放す必要があるということです。



これについて、もう少し具体的に説明していきますね。



『稽古の思想』という能楽師・世阿弥の伝書を紐解いた書籍があります。

この書籍の中で、お稽古における意識について、「未用心」→「用心」→「無用心」と反転していくことの大切さが語られています。



稽古以前は「未用心」、つまり、用心がない / 注意が払われていない状態。



そして、お稽古がはじまると、用心すること(意識すること)を大事にします。

なぜなら、自分の意識の及ばぬところに「非(いわゆる粗・あら)」が現れるからです。



しかしながら、お稽古(上達)が進むにつれ、「用心」ではなく、「無用心」が大事だというのです。



なぜなら、「用心」、つまり意識すること、気にすることが最高の芸風を邪魔するからです。




真逆のことを言うと、人によっては「矛盾」と捉え、「以前はこう言ってた」とか、「あの人は反対のことを言ってた」とか、どちらかがおかしいと扱われることがあります。

でも、おそらくどちらも正しいのだと思います。

ただ、ここで理解すべきことは、「現在地」を踏まえていることが大切であり、「現在地」によって正しさが変わっているということです。




私たちはかつての自分に良かった手段や、腑に落ちたことにしがみつきがちです。しかし、自身の現在地において必要なことや正しさが変わっていると感じたら、その時は反転すべきタイミングなのかもしれません。そして、その反転がさらなる成長を導いてくれるのだと思います。



一方で、「反転」してはいけない人がいます。いわゆる学び始めの人たちです。

ついつい上級者や指導者が、自身の現在地にあったもの(反転した先のこと)を初心者に求めてしまうことがあります。しかしこれは、その人の現在地を踏まえていないことになります。あくまでも自分の現在地によって、反転すべきかすべきでないか、見極めが大切です。



ちなみに、私はアレクサンダーテクニークを学び始めた頃、自分に注意を向けることで、自分への気づきが増え、自分が変わっていける、そんな期待が膨らんでいきました。

でも、いつの頃からか、気づきや変化を助けてくれた自分への注意は、自然体と反対のベクトルを強め、自分を窮屈にさせていました。

それに気づいてそれをやめようとしても、これまで培ってきた意識(注意)のあり方が簡単に手放せないのです。

でもですね、また新たな方向性に向かってコツコツ練習していくと少しずつ上手くなっていき、時に想いもかけない経験がやってきたりします。そして、アレクサンダーテクニークでいうプライマリーコントロール(ある種の背骨の広がりなど)も、これまでと違う経験や解釈に変わってきます。

 

 

繰り返しになりますが、現在地が変われば、かつての正解も変わってきます。

ということで、みなさん、じぶんの現在地に応じて「反転」を大切にし、自分の歩みを進めていってみてくださいね。



・・・・・・・・・・・・


(余談)

武道家の知人の言葉が今も記憶に残っています。

“「守破離」とか簡単に言うけど、本当に型が窮屈に感じるまでやり切ってから言え”と。

反転すべきタイミングでない時に、反転するな、ということをおっしゃっていたんでしょうね。




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