おはようございます。アレクサンダー・テクニーク教師&理学療法士 林好子のブログにお越し下さり、ありがとうございます。
アメリカ生活ももうすぐ3週間。
今朝ももちろん剣(合氣道)のお稽古。
今日は空腹と前日のハイキングの疲労に加え、ひょんな思いつきから雑念が多かった・・・😓
まあ、こんな日もあります。
でもまた明日から新たな気持ちでやっていくだけ。
とはいえ、なかなか興味深いお稽古で、色々と疑問が湧いてきたという意味では収穫があったお稽古でした。
どんなお稽古でどんな疑問が湧いてきたかというと、こんな感じです。
少しゆっくりめの速度で剣を振っていると、ふとあることを思い出したんです。
昔、アレクサンダーテクニークの先生から少し太極拳を習っていた時に、、スローモーションで動くように言われたなって。
そして、その時に使われていた表現、ビデオをスロー再生した時のようにという言葉がなぜか心に残っていて
よし、やってみよう!!となったわけです。
ビデオのスロー再生のように剣技1というフォーム(型)をやってみたところ
ひえ〜!!! 難しい。
というか、全然できなーい(泣)
やっているようだけど、それはスロー再生じゃない。
動きによってスロー再生から早送りになったり、2倍のスローから4倍のスローになったりして、一定のスロー再生にはならない。
何度やってみても、行き急ぎたくなる箇所や、より速度を落としてしまう箇所がでてくる。
うーん・・・
行き急ぎたくなる箇所は普段から自分にとって死角になっている箇所で、入ってくる情報量が明らかに少ない気がする。
そして、どうしても動きをごまかしたくなる。
繰り返しやってみたけど、やっぱり難しい・・・。
うーん・・・
というか、ただゆっくり動くのと、スロー再生はどう違うんだろう?
なんでスロー再生なんだ??? ただゆっくりだとダメなのか??
なんで私の先生は太極拳の練習でスロー再生をさせようとしたんだろう?? その意図はなんだったんだ??
果たしてこのスロー再生の練習が剣のお稽古に適しているんだろうか??
疑問が次から次へとやってきて
あー、分からん!! 混乱してきたー!!
雑念だらけじゃー。とりあえず、考えるよりやってみよう
再び、ゆーっくりスロー再生で剣技1。
ダメじゃー(泣)
剣先まで氣が通ってないし、剣がブレブレになってしまう。最近、少しうまくなってきたと思ったのにー!!
剣と手(自分)の一体感も全然ない・・・
スロー再生だと、これまでお稽古してきたことが全部なくなってしまったー。がーん・・・
がーん・・・がーん・・・がーん・・・
ん??? これまでお稽古してきたことが全部なくなってしまった???
なんのためのスロー再生だ??
スロー再生、つまり一定の倍速のスローモーションで動くことそのものが目的ではないはずだ。
スロー再生の中で、何かを得る、何か別の目的があるはず。
大切なのは、そこに焦点をあてること・・・
私がやってたのは、とりあえず一定倍速のスローモーションにすることにこだわってただけ?
スローモーション、スロー再生の目的・・・
えっと・・・確か・・・
スロー再生のように動くことで、そこにあるべき質がより大きく感じるというようなことを聞いたような・・・
たとえばピッチャーの投球動作。
通常の速さだと見たり感じられない軽やかさやしなやかさ、力をため込んだところから解き放たれる感じ、いろんな質・フィーリングがスロー再生にすると浮かび上がり、より大きく感じられる・・・。
そんなことを言っていたような・・・(記憶は定かではないけど)
もしそうだとしたら、私が超スロー再生の練習で感じていたことは全く逆。
ゆっくり動くことでいろんな質がこぼれおちてしまっている・・・。
スロー再生の中で質を凝縮する、あるいは拡大するどころか、全部なくなってしまってた。
それからもう一つの目的。
ゆっくり動くということで、より詳細を正確に感じること。
そんな意図もあったと思う。
これは普段の速度を落とした練習でもやってきたことだから、すんなり理解できる。
でも、理解できると、実際できるは別(苦笑)。
しかも、そこに倍速のスローモーション、つまりスロー再生の要素が加わると、個人的にはより難しく感じてしまう。
なかなか手強い、このスロー再生練習・・・
こんな感じで迷宮入りしながらお稽古していたわけです。
お稽古が終わってからもしばらく考えていたんですが、疑問はあふれるばかり。
本当にスロー再生が必要なのか? ただゆっくり動くではダメなのか?
剣の練習にスロー再生は適しているのか?
仮に良い練習だったとして、どの時期にこの練習をしたらいいのか? 初心者には難し過ぎるんじゃないか?
どの程度まで速度を落としていくのがよいのか? などなど
なんとなく思うところはあっても言語化するには至らないし、特に前半の二つは結論に至るには程遠い。
後半二つの疑問については、なんとなくこんな風に考えている。
極端に速度を落とした練習は決して容易でない、ということ。つまり、初心者には難しいということ。
おそらく、適度な速度と少しゆっくりした速度(たぶん、スロー再生ではなく、ただゆっくりと)が初心者には適していると思う。
たとえば、自転車や歩行で想像するとわかりやすいと思う。
自転車は最も楽に安定してこげる速度があって、それよりゆっくりになればなるほどフラフラしてバランスをとるのが難しくなる。
歩くのも一緒。
理学療法士として患者さんに歩く練習を指導するときに経験するが、重度の障害の方にとって速く歩くのは難しい。
でも、ある程度まで身体機能が上がってくると、(適切な速度より)大きく速度を落として歩くと動揺が大きくなり歩行としての難易度は高くなる。
つまり、その人にとって適当な速度から離れれば離れるほど、それが速くなろうと遅くなろうと難易度は上がる。
そういうことを考えると、超スロー再生の練習は高度な練習といえる。
しかもそこに質的なものを凝縮するというのだから(もしそれがそういう目的であれば)間違いなく難しいと思う。
ただ、人によってはスロー再生にすることで、普段わずかにしか感じられない質を拡大して感じることができるかもしれない。
この辺りはまだよく分からない。
もちろん遅く動くことは、情報を取り入れやすくなるという面ではメリットがあり、そういう意味で自分に適した遅い速度の練習を取り入れるのはもちろん良いと思う。
このお稽古の謎はどんどん深みに入って抜け出せなくなりそうなので、この辺で終わりにしておこうと思う。
ただ現時点で一つ言えることは、スロー再生すること(速度にこだわること)を目的にするのではなく、何を目的にその練習をしているのか知って、そこに焦点を当てることが大事だということ。
そして、私がこのスロー再生のお稽古を今後も取り入れるか?というと、当分はあまりやらないと思う。
やったとしても少しだけ。必要そうな時に。
理由は、いまの私には難易度が高いのと、そのお稽古の意図がまだ十分できていないのと、もっとやるべきことがありそうだから。
速度をかえる練習はもちろんやっていく予定。
この速度の練習だけやっていれば大丈夫というものはないと思っているので、
目的に応じてある速度をある程度やっては違う速度へと、行ったり来たりする。
それは速度だけではなく、他の要素に関しても。
ただ、どこから始め、どこで切り替え、どの程度が適度か、その辺がもう少しクリアになるといいなと思う。
最後に注意点!!
個人的な経験や疑問や考えをタラタラ書きましたが、ここで書いていることは、みなさん、あまり参考にしすぎないでくださいね。
私自身、探求の身。考えも疑問もこれからどんどん変わっていくと思いますから。
みなさんが自分で経験して自らの疑問をみつけ、答えを見つけていっていただけたらいいかなと思っております。
もちろん、私の疑問に対してご意見、アドバイス等をお持ちの方がいれば是非ご連絡いただけると嬉しいです♪
そんな時は こちら までお願いいたします。
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